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2025/09/27 07:43

「結び目を ひとひらにして 扉開く

 今日も紡ぐ 想いの糸」

咲結の扉を開くたびに感じる、
胸の奥に、ふわりと灯るぬくもり。

この場所で、今日はいったい、
どんな想いが結ばれてゆくのでしょうか。

ひとつひとつの水引に込められた願いや記憶を、私の手でそっと紡いでいけること。
それは、私にとって何よりも尊い喜びです。

結ばれゆくご縁を、今日もまた、
そっと迎えにまいりましょう。


工房「咲結(さゆ)」という場所

春の風がやさしく吹いたある日、小さな工房の扉がふわりと開きました。

ここは、工房「咲結(さゆ)」。
木の香りと和紙のぬくもりがただよう空間には、季節ごとにそっと揺れる想いが漂っています。

咲結には、日々いろんな人が訪れます。
恋に揺れる人、仕事や家族に悩む人、人生の転機を迎えた人―。

彼らが胸の奥に抱える“ほどけかけた想い”を、
そっと結び直していく。
それが、この店の主・紡(つむぎ)の、静かな役目です。


祖母が紡いだ、結びの道

咲結をはじめたのは、紡の祖母でした。

祖母は、手間を惜しまず水引を結び、
季節の行事や人生の節目に込められた祈りを、
ひとつひとつの“結び”に映しこんでいたのです。

「結ぶってね、形をつくることじゃないんだよ。誰かの願いを、そっと包むこと。」

そう語る祖母の背中を見て育った紡にとって、
水引はただの飾りではありませんでした。

それは“言葉にできない気持ち”を、
そっと手渡すための、やさしいかたちでした。


紡が受け継ぐ理由

時代が変わり、SNSや文字であふれるこの時代。 けれど、いちばん大事な想いほど、
うまく伝えられないこともありますよね。

「ありがとう」「ごめんね」
「本当は、こんなふうに思ってる」―

簡単なはずの言葉が、どうしても出てこない。

そんなとき、水引の結びが、あなたの代わりに想いを届けてくれるかもしれません。

紡が咲結を継いだのは、祖母の結びを守りたかったからだけではなく、
“いま”を生きる誰かの背中を
そっと押したかったから。


水引に込められた意味

「水引はね、想いを結ぶものなんだよ。」

祖母のその言葉を、紡はいまでも大切にしています。

人との縁を結び、心を包み、
言葉より深く伝えてくれるもの。

それが、水引です。

強く結べば、深い絆。
やさしく結べば、あたたかな想い。

ほどけたら、また結びなおせばいい。

「心も縁も、ほどけてしまうことだってある。 でもね、何度でも結び直せる。結び直すたびに、想いは強く、やさしくなっていくのよ。」

そう話してくれた祖母の手元には、何度も結び直された水引が、静かに光っていました。

言葉にできなかった想いが、
結びというかたちになって届いていく―

それが、水引の持つちからなのだと、
紡は信じているのです。


これから訪れる人々の物語

咲結には、ある日ふと立ち寄る人もいれば、  
何度も扉の前で立ち止まりながら、
やっとの思いで中に入る人もいます。

悩みを語れるわけじゃなくても、
ただそっと、想いを誰かにゆだねたくて。

春、夏、秋、冬。
季節がめぐるたびに、
この工房にはさまざまな物語が流れ込んできます。

次にここを訪れるのは、あなたかもしれません。


あなたへのひと結び

これから紡がれていくのは、
咲結を訪れた人たちと紡が交わす、
ささやかで、でも確かな“心の結び”の物語です。

日本に古くから伝わる行事や風習には、
今を生きる私たちにも通じる「想いのかたち」が宿っています。

この物語を読んで、もし
「これは私のことかもしれない」と
思っていただけたなら、 それはきっと、
あなたとのご縁が結ばれた瞬間なのだと思います。

ほどけかけた想いがあったなら、
ここで、そっと結び直していきましょう。


めぐる季節のなかで結ばれる、ささやかなご縁の物語。


どうぞ一話ずつ、そっとめくるようにお読みください。

結びし想い、風のまにまに。
さて、最初のご縁は―。


つぎなる結び|
一の筋『結びなおすということ』

春の名残に包まれながら、
ひとり静かに水引を結ぶ少女―紡。
祖母の遺した工房「咲結」を受け継いだものの、 水引で人の心は救えるのかと、問い続ける日々。

けれど、幼き日に祖母から贈られたことのはが、 いま、そっと背を押すのです。

「結びなおせば、新しきかたちとなりましょう。」

藤の花そよぐ春の風のなか、
紡が見つけた“最初の結び”とは──。

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